5月5日

ゆっくりめに起床。雨かと思いきや、まずまずの天気だ。

家人とテレビをみながら昼食をとる。小説家と暮らすねこを紹介する番組で彼女が書いた一編の小説が朗読されていた。『任務十八年』というタイトルで、ああ、これはまずいなと思いながら観ていたら、案の定、涙がとまらない。ねこはニンゲンをちょっとだけ善人にするという任務を帯びて、それぞれ担当のニンゲンのもとへやってきて、任務終了とともに帰っていくという内容。ニンゲンなんてちょっとアピールすればすぐにねこを連れ帰るから、担当の家に行くなんて簡単なもの、というくだりで、先代ねことの出会いを思い出した。

先代ねこは、わたしの顔を見るなりケージにぴょんととびついて、大きな口を開けてにゃあーとないたので連れて帰ってきて、それからずっと一緒だった。18年と半分いてくれたということは、わたしがそこそこ格好のつくニンゲンになるまでそんなに年数がかかってしまったということになる。長くなっちゃって悪かったね、のえちゃん。

我が家にはいま二代目ねこがいる。わたしがまだまだ至らぬので、引き続き任務を仰せつかったねこがやってきたのであれば、恥ずかしいやら申し訳ないやらで先代に顔が向けられないが、たぶん、いまのこは家人の担当なのだろう。